薬局の待ち時間を短くする対策は〇〇!【現役 薬剤師が解説】
こんにちは、薬剤師の美怜です。
新型コロナウイルスの感染が拡大している状況ですが、普段から継続してお薬を服用されている方はどうされていますか?
病院は電話診療で、薬は薬局に郵送をお願いされていますか?
それとも、いつも通りに受診して薬局に行かれていますか?
いつも通りの方は、なるべく薬局にいる時間を短くしたいですね。
今回は、薬局の滞在時間を短くする方法についてお話をさせて頂きます。
ちょっとしたコツがあります!
動画解説はこちら
本記事の内容 ~目次~
薬局の待ち時間を短くする方法
この待ち時間を短くするコツがあります。
これを知っていると知らないとでは大違いかもしれません。
- 薬局選び
- FAX
- お薬手帳アプリ
- かかりつけ薬局
- 待ち時間の確認
- 混んでいる時間を避ける
- 処方内容を確認
- 初めて行く薬局や新しい薬が出た時は在庫があるかどうかの確認
まずは自分の生活に合った薬局を選ぶことです。
家、職場、駅、スーパー、習い事などの近くの薬局に処方せんを預けて、後で取りに行けば待ち時間なしです。
ただし、混んでいる薬局だと待合室で待っている患者様が優先されることがあるので「3時に取りに来ます。」や「明後日の2時に来ます。」と具体的に伝えておくとよいですね。
薬局に行く前にFAXやお薬手帳アプリなどで処方せんを送信しておくのもオススメですが、受け入れている薬局かどうかを事前に確認が必要となります。
その時にも、いつ取りに行くかを伝えておくと確実です。
その時間までに準備できないことがあるかもしれないので、連絡先も伝えておきましょう。
初めての薬局だと問診票をお願いされます。
これは時間もかかるし、面倒と思っている方が意外と多いのですが、服用のために私たちは知りたいのです。
嫌な人はいつも行く薬局を決めてしまえば良いのです。
どこの処方せんでも薬局は受付しますので、かかりつけ薬局として決めてしまえば、問診票は書かなくてすむし、服用歴を把握してもらえるので安心です。
これは本当によく聞かれるのですが、処方せんを渡された時に「どのくらい待ちますか?」と言われることです。
急いでいる時や薬局が混雑していている時は聞いた方がよいですね。
なかなか呼ばれないと「もしかしたら私の処方せん、忘れられてしまったのかしら?」「あの人が呼ばれていないから大丈夫か。」と自分よりも先にいた方をチェックしたり…こんな不安な思いをしながら待っていたら、余計に長く感じてしまいます。
処方内容を確認して、だいたいの時間を教えてもらえるので、時間によっては外出して他の用事をすますこともできますね。
その際、外出することは必ず伝えてください。
いない間に呼ばれるかもしれません。
そして、外出から帰ってきた時も戻ったことを伝えてください。
大きな調剤薬局や混雑している時はお戻りになられたことに気が付かないことがあります。
その他のコツとしては、薬局によっては混雑の時間が決まっている場合があります。
曜日や時間帯を聞いて、混雑時を避けると待ち時間を短くすることができますね。
あと大切なのが、自分の処方内容を確認することです。
お願いした薬はあるか、処方日数は間違いないかなどを病院で処方せんを受け取った時に確認して、間違っていたら、その場で変更してもらうことです。
薬局にいらしてから、処方医に確認するのは、とても時間がかかります。
処方医が診察中だとなかなかお返事が頂けない事もあります。
これは問い合わせが必要だった場合、かなりの時間短縮になります。
薬の種類は多いため、在庫していない薬もあります。
病院の近くの薬局には、その病院の医師がお使いになる薬は在庫していますが、近隣ではない薬局には置いていない可能性があります。
欲しい薬がないと困りますよね。
事前にあるかどうか電話で確認しておくとよいです。
このようなコツで薬局での待ち時間を短くすることが出来ます。
すぐに出来ることもあるので是非やってみてください。
薬局でなぜ待たされるの?
「なんで薬を集めて渡すだけなのに待たせるの?」
「中で何をしているの?」
そのように思われているかもしれませんね。
それは私たち薬剤師にとってはちょっぴり寂しいことです。
処方せんを薬局に出してから、私たちが何をしているかを知ってください。
1.処方せん受付 ・在庫の確認 ・処方せん監査 ・患者さまの薬歴、お薬手帳の確認 ・処方せん内容の入力 2.調剤 ・ピッキング、一包化、散剤、軟膏混和、シロップ剤など 3.監査 ・入力・調剤に間違いがないかなどの確認 4.お薬の交付 ・内容に間違いがないか確認しながら患者さまにお渡し
以上が、患者さまが薬局に入ってからお帰りになられるまでの流れになります。
これだと良く分からないかもしれませんね。
具体的にお話をします。
処方せんを受けたら処方内容を確認します。
まず、処方されている薬が薬局に在庫しているかを確認します。
ここで薬がない場合は患者さまにお声をかけて用意するかどうかを決めます。
近隣の薬局に走って取りに行ったり、問屋さんにいつ入荷するかを電話したり、処方医に変更可能かどうかを確認したり…。
在庫がないと待ち時間は長くなりますね。
処方せんには、氏名、生年月日、性別、健康保険の番号、医療機関名、処方医の名前、薬などたくさんの確認情報があります。
その内容に間違いがないか確認をして、疑わしいことがあれば病院にお問い合わせをすることが薬剤師法で規定されています。
薬剤師法24条
薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを 交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点 を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。
この疑わしい内容は、処方せんと健康保険証の内容が違う、アレルギーのある薬が処方されている、他の病院で服用している薬が処方されている、飲み合わせの悪い薬が処方されているなど、様々です。
これは、医師からの返答がないと調剤することが出来ないので、待ち時間が長くなることもあります。
でも、患者さまが安心して服用できる薬であるかどうかの確認なので絶対的に必要なのです。
その後、問題が解決したら処方せんの内容をパソコンに入力します。
入力することにより、お薬代の計算や必要なもの(調剤録、薬歴、薬袋、お薬手帳、薬情)が印刷されます。
それと同時に調剤を始めます。
調剤は、錠剤を集めるピッキング、一回分をパックにする一包化、散剤、軟膏の混和、シロップ剤など時間がかかるものもあります。
調剤が終わった後、内容が間違っていないかどうかを調剤した薬剤師とは別の薬剤師が監査をします。
薬は正しいか、数は正しいか、異物は混入していないかを確認します。
ここでやっとお薬の完成です。
そして、お薬の交付になります。
しかし、お渡しする時も患者さまとのお話内容をチェックして問題ないか頭の中で確認しています。
ここで、疑わしい時は医師に問い合わせをする事もあります。
このような流れで、やっとお薬を手に入れることができるのです。
待ち時間が長い理由をご理解いただけましたでしょうか?
薬局の待ち時間を短くする方法のまとめ
私たちは体調の悪い患者さまが1分でも早く帰れるように工夫して働いています。
例えば、時間のかかる調剤は予製薬として、先に作成してあります。
何種類も混合する散剤や軟膏、一包化が必要な患者さまの処方内容が安定している時は個人予製として作成します。
日常業務は、薬剤師が集中できるように分担しています。
もちろん私語は厳禁です。
そのことにより集中できるのでミスが減ります。
ミスがないと時間が削減できます。
FAXやお薬手帳アプリの対応ができるようにもしています。
時間がかかる処方せんを受けた時は、お待ちいただくか、お預かりをさせて頂くかを患者さまに聞くためにお声をかける事もあります。
待合室が快適だと待ち時間が短く感じるので改装をしたり、テレビ、雑誌、お子様のために折り紙・お絵描き帳なども置いたりします。
機械の導入も時間削減につながります。
私たちはなんとか待ち時間を短くできるように日々、考えています。
待ち時間が長いのは本当に申し訳ないと思っていますが、お薬をお渡しするまでの工程を理解して頂けたら嬉しいです。
たまに「早くしろ!」と怒鳴られることがありますが、それを言われると『急がないと!』と焦ります。
この焦りは薬剤師のミスの原因になりやすいので言わないでくださいね。
私だけでなく、これは薬剤師みんなの願いだと思います。
人気記事薬剤師向け求人サイトの選び方!現役 薬剤師のおすすめ5選
人気記事薬苦手の薬剤師!? 薬剤師が日頃から気を付けていることは体のメンテナンスと環境!