薬剤師のセミナー ~なぜ薬剤師の美怜がなるべく薬を服用しないのか~

体について

こんにちは、薬剤師の美怜です。

先日、30人程度の前でお話をしてきました。

お話をした対象は、某化粧品会社の商品を使っている方たちで、テーマは『なぜ薬剤師の美怜がなるべく薬を服用しないのか。』でした。

久しぶりに、ワクワクの楽しさとドキドキの緊張感が入り混じり、このような機会を設けて頂いたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

たまには緊張を感じるのは刺激になって良いものですね!

今回は、その時の内容をざっくり紹介します。

薬剤師 美怜の自己紹介

薬剤師 美怜の自己紹介

美怜の名前、住んでいる所などのド定番をサラーとして、息子のおもしろエピソードも加えてみました。

そして、薬剤師の仕事を簡単に紹介しました。

現在の私の薬剤師としての仕事は、医師の処方した薬を間違いがないか確認をして、調剤をして、患者様にお渡しすることが基本です。

その他には、在庫管理や使用している医薬品の情報収集です。

細かく上げると色々とありますが、これらがメインです。




薬剤師なのに、薬苦手な理由

薬剤師なのに、薬苦手な理由

薬を扱っている薬剤師なのに、なぜ薬をなるべく最小限におさえているのか?

私は本当に必要な時以外は薬を飲みません。

以前は、どちらかと言うと過剰に服用していた私が、薬を最小限にするきっかけがありました。

それは、長寿の方と接していて感じたことでした。

長寿の方は

  1. 食事がきちんと摂れている。
  2. よく眠れている。
  3. 姿勢が良い。
  4. 薬とは縁がなかった。
  5. 自分の耳で聞き取りが出来ている。

上記の内容より、1.2.3.を少し掘り下げました。

口腔ケアで病気や寿命に差が出ることは明らか

口腔ケアで病気や寿命に差が出ることは明らか

食事がきちんと摂れている方は口腔内がとても良い状態にあります。

口腔内が整っていないと、食べたくても食べられないので、ここで大事なのは口腔ケアです。

高齢者が口腔ケアをしているのと、していなのでは病気や寿命に差が出ることは研究結果で明らかになっています。

口腔内が汚れていると菌が繁殖して、その菌が体内へ取り込まれたり、歯を支える歯茎が弱ります。

それによって、内臓疾患や歯茎が腫れて頭痛を引き起こしたり、噛む力や回数が減ることにより消化管への影響が出たり、脳への刺激も減ります。

口腔ケアが大切だと分かっていても、なかなかピンと来ていない方が多いため、実際にケアをしている人としていない方の比較をグラフ化して説明しました。

ケアをしていない方はしている方と比べて肺炎になる確率は約2倍、認知症になる確率も約2倍高く、その他、手術した後の入院滞在日数においても差が出ていました。

菌が体内に入ることで、私たちの体に大きな影響与えていることを考えると口腔ケアは本当に大切ですね。

長寿の方は睡眠時間の確保と姿勢が良い

長寿の方は睡眠時間の確保と姿勢が良い

年齢を重ねる毎に睡眠時間は短くなる傾向です。

若いころは8時間眠れていたのに4時間くらいで目が覚めてしまったり、夜中にトイレに行くこともあったり…。

しかし、長寿の方は睡眠時間がきちんと確保されている方が多く、短くても睡眠の質が良いのか、睡眠に対しての不満がありません。

これには、いくつかの理由があると思いますが、体のバランスが整っている事もその1つです。

人間は睡眠中に体のバランスを寝返りで正常に戻します。

普段から姿勢が良い人は、余計な寝返りすることがありません。

その結果、無駄な動きがないため、睡眠時間を妨害されないので、睡眠を確保することが出来ます。

逆に、体が歪んでいると、腰痛、頭痛などの痛み、呼吸が浅くなるため酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかず、肺疾患などの内臓の病気にかかりやすくなります。

普段からの姿勢はとても大切ですね。

体のバランスが整っていることにより、慢性の病気にかかる事を軽減できるので、薬の服用が自然と少なくなります。

今は、PCやスマホをお使いの方が多いので、ますます姿勢が悪くなる世の中です。

体の歪みは、整体に行く事やスマホで姿勢をよくする簡単な体操が検索できるので、これらは有効な手段ですね。

この長寿の内容は、実際に私が現場で感じたことや見たことなので、1時間程度の講演の中で頭に残っている方が多く、高評価を頂けました。




オーバードーズ(過剰摂取、過量服薬)とは?

オーバードーズとは?
ここからは、薬の話をしました。

薬とは、どのようなものなのか?

これを理解していないと間違って服用したり、服用しなければいけないのに飲まなかったり…これが一番怖いことだと思います。

オーバードーズ(過剰摂取、過量服薬)は、医師による多剤大量処方や自ら過量服用してしまうのが原因です。

この自ら過量服用になってしまうのは、脳の働きによるもので、大好きな方が多い甘い食べ物を例として説明しました。

一度、おいしい思いをすると脳にインプットされて、その後は何度となく脳が要求するのです。

その結果、ダイエットをしている方や糖分を減らさないといけない方でも、甘い食べ物の誘惑に負けてしまうのです。
これが繰り返されると依存します。

これは賭け事もそのような状態になるようですね。

ビギナーズラックで勝つと、またやってしまう…これの繰り返しで賭け事にはまっていく。

この脳の働きは薬も同じで、体が楽になると量や種類が増えてしまいます。

これは怖いことだと思います。

薬に依存すると、錠数が増えて副作用が出やすくなるし、種類が増えると多剤との飲み合わせにより違う作用が出ることもあります。

もしかしたら錠数や種類が増えて、健康になるどころか逆に不健康になっているかもしれません。

副作用のない薬はない

副作用のない薬はない
副作用を勘違いされている方が多いので、副作用とはどのようなものなのかを説明しました。

薬の体に対しての作用は1種類ではありません。

例えば、ある薬の作用が6種類あるとします。

そのうち、治療に必要な1種類の作用が主作用で、そのほか5種類を副作用と呼びます。

そのため、副作用のない薬はありません。

この副作用は主作用よりも弱い作用のため、症状が出るとは限りません。

例えば、解熱剤鎮痛剤は熱を下げたり、傷みを取ったり、炎症を抑えるのが主作用です。

それ以外の胃腸粘膜刺激、眠気などは副作用になります。

胃腸の不快感は嫌ですが、もともと眠れない方には、副作用の眠気は好都合です。

睡眠薬を飲まなくてすむので、薬の種類が減ることもありますね。

薬の研究している中で、予期せぬ嬉しい作用が見つかると、その副作用を利用して、新しい医薬品として販売されている薬もあります。

副作用は決して怖いものではありません。

薬剤師にとっての添付文書

薬剤師にとっての添付文書
講演会だったので、少し専門的な話もしました。

普段、私たち薬剤師は添付文書と言って、薬の様々な情報が書いてあるものに沿って、お薬を調剤したり、お渡ししています。

この添付文書を添付することは厚生労働省で義務付けられています。

添付文書は患者様が安全に服用するための基本となる内容で、この内容から外れると保険適用外となります。

ここでは、実際のよく処方される抗生物質の添付文書を資料としてあげて、皆様に見て頂きました。

効果や効能はもちろん、リスクについての記載があるため、見た方は怖さを感じたと思います。

でも、このリスクも含めて厚生労働省で認められているという事だと認識して欲しいですね。

世界で毎年、約70万人が死亡している薬剤耐性菌とは?

世界で毎年、約70万人が死亡している薬剤耐性菌とは?
薬剤耐性菌って聞いたことありますか?

薬剤耐性菌は世界で毎年、約70万人が死亡していて、これからも増えていく予想で、近い未来2000万人を超えると言われています。

この地球上には何兆もの種類の菌が存在します。

そして、使用されている抗菌剤は、約70種類あります。

細菌に対して抗菌作用を有するものを抗生物質、微生物に対する作用は抗ウイルス剤、抗真菌剤などに分類されます。

この細菌とウイルスと真菌は違う微生物で、大きさも構造も違います。

抗菌剤と菌は絶えず戦っています。

地球上の菌は形を変えたり、機能を変化させたりして、抗菌剤の攻撃から何とか助かろうとします。

この形を変えて助かった菌こそが薬剤耐性菌なのです。

一度、抗菌剤に勝った菌には抗菌剤が効きません。

そして仲間を増やしていきます。

その中で有名なのはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。

これは医療機関における抗菌剤の大量使用が原因とされています。

この耐性菌が流行ったらどうなると思いますか?

抗菌剤が効かない菌が蔓延すると大パニックです。

高齢者や小児、体力のない病気の方、かなり大きなダメージだと思います。

実際にMRSAが発生した病院では死者が出ます。

一応、このMRSAに有効な抗生物質はバンコマイシン、テイコプラニン、リネゾリド、ダプトマイシンなどがあります。

最近ではバンコマイシンが効きにくい黄色ブドウ球菌が増加傾向にあるという報告もあります。

いつ、これらの薬物耐性菌に効果がある抗生物質がすべて効かなくなるかは分かりません。

少し前の日本では、風邪を引いたら直ぐに抗生物質が処方されていました。

実を言うと、風邪には抗生物質無効です。

風邪の原因菌のほとんどがウイルスなので効かないのです。

このように抗生物質が乱用されて、薬剤耐性菌が生み出されるのです。

この状況を重く見た厚生労働省は、2017年抗生物質のガイドラインを発令しました。

以前より、乱用が少し緩和されつつありますが、医師は変わらず抗生物質を処方されているのが現実です。

そして、この耐性菌を生み出す理由がもう一つあります。

それは、私たちが抗生物質を飲んだり飲まなかったりすることです。

その隙をみて菌は形を変えてきます。

私は、昔から共存してきた良い菌をも殺菌する抗菌剤作ったのは、人間の罪だと思っています。

なぜなら、抗菌剤が作られたことで、生命の危機になる可能性のある耐性菌を生み出してしまったからです。




ステロイド剤とはどのような薬か?

ステロイド剤とはどのような薬か?
某化粧品会社の製品を使用している方が対象だったので、お肌に敏感な方が多いと思いステロイド剤についてお話をしました。

よくステロイド剤と耳にしますが、どのような薬かご存じですか?

効果が強い薬、副作用が強い薬などのイメージがあると思います。

実際に、塗り薬のステロイド剤を正常な皮膚に塗ると、塗ったとたんに赤みが消えて白くなります。

ステロイド剤とは、どんなものなのでしょうか?

私たちの体は神経とホルモンで調節しています。

ステロイドホルモンとは、副腎皮質ホルモンの事で、二つの腎臓の上にちょこんと付いている小さな臓器の副腎から分泌されるホルモンです。

私たちの体にもともとあるものです。

これがいつ出るかと言うと、ストレス(炎症など)がかかると脳が反応して、副腎に炎症抑えるホルモン出してと指令を出します。

そして副腎からホルモンが放出されます。

このホルモンを人工的に合成したものがステロイド剤です。

このステロイド剤は、どうのように私たちの体で反応しているのでしょうか?

ステロイド剤は細胞内に入ると、パズルのように決まった形のところに結合します。

結合することにより形が変わり、細胞の奥底まで入り込みます。

奥底にはDNAがあり、このDNAに作用します。

これにより、色々な作用が起こります。

細胞の奥底のDNAに作用させているので、反応は早いですが、体には強い薬です。

そして、作用が多いため、剤型も様々です。

錠剤、散剤、シロップ剤、坐薬、注射、塗り薬、点鼻、吸入、点眼…。

そして、皆さんが気になる副作用も多いです。

副作用は剤型により異なりますが、皮膚から吸収される塗り薬は、血液中に入る量が少ないので全身作用や全身副作用は出にくいです。

外用の副作用で皮膚が黒くなったと言われる方がいますが、その原因はステロイド剤ではありません。

長く炎症を起こしていた皮膚は赤黒く色素沈着して、この状態からステロイド剤を使用すると赤みだけが消えて、黒さだけが残ります。

このステロイド剤は急に薬をやめてしまうと、おさえていた症状が一気に悪化してしまうため、やめる時は慎重に減量して中止になります。

薬物代謝とは?

薬物代謝とは?
代謝とは薬物が体の中で分解されることで、体内に吸収された薬物は薬物代謝酵素によって水に溶けやすい物質に変化し、尿や胆汁中に排泄されます。

この薬物代謝は3段階で行われます。

第一段階では、薬物の酸化、還元、加水分解の化学反応が行われ、この化学反応は薬物により分かれます。

第二段階は、抱合反応で、第一段階で変化した薬物に水が抱合します。

これにより水溶性に近づき、最後に水溶性となり排泄されます。

この薬物代謝の反応は主に肝臓で行われて、他は腎臓、肺、脾臓などでも行われます。

この代謝の間に薬は効果を発揮します。

薬物によっては、それ自体に効果があって、代謝されて変化しても効果が続くものもあれば、代謝すことによって初めて効果が出るものもあります。

この薬物は排泄されるまで、どのくらい体内に留まると思いますか?

これは薬物によって異なります。

例えば、1日3回服用の抗生物質だと6時間くらいでほぼ排泄されます。

沢尻エリカさん、世間を騒がせていますね。

麻薬使用者は尿検査、血液検査、毛髪で検査します。

尿は1週間から30日、血液は約2週間、毛髪はなんと3ヵ月も前に使用した麻薬が反応します。

このように薬物は体内に蓄積されて、完全に薬物が体内から排泄されるまでの期間は未知数です。

薬は代謝によって、効果の強さや効いている時間に差がでます。

一般的に下等動物の方が影響が大きくて

人:うさぎ:カエル=1:10:100です。

動物実験では、薬の影響を受けやすいうさぎやカエルが使われます。

年齢だと、幼若な子は、まだ腎臓機能が未発達なので薬の作用が強く表れます。

体に脂肪の多い女性は、薬物の影響が大きいと言われています。




市販薬でも薬は薬

市販薬でも薬は薬
テレビでは『ありがとう。いい薬です』の太田胃散や『バファリンの半分は優しさで出来ています』『あなたの風邪はどこから?』のベンザブロックなど、決め台詞で市販薬のCMが流れています。

CMは繰り返しなので、私たちの意識とは関係なく容易に組込まれていきます。

市販の薬は、病院に行くよりも手軽に薬を購入できるので、とても便利です。

そして、必要な時に服用すればとても良い薬です。

ただし、乱用はよくありません。

自分の力で治せる症状でも、病院に行かずに購入できるため、必要ない状態でも服用しがちです。

CMの影響が大きくて、容易に服用したり、安心して服用できると思い、乱用されている方も多いようです。

市販薬でも薬は薬なので、もちろん副作用もあります。

サプリメントは見極めがとても難しい

サプリメントは見極めがとても難しい
サプリメントのCMも数多く流れています。

このサプリメントは医薬品ではないので、厚生労働省で認めていない化学物質です。

認めていないってことは自由なのです。

先ほど出てきた、添付文書の作成のために研究や検査をした訳でもない、なんの根拠で効果があるとうたっているのか。

医薬品ではないのに効果効能をうたったら薬事法にひっかかります。

その化学物質の品質には問題ないですか?

体内に溜まらないで排泄されますか?

以前、サプリメントで死者がでたニュースが話題になりました。

これは、その成分の安全性をきちんと研究してからの販売ではないからです。

考えただけでも怖くなりますね。

高いサプリメントがありますが、日本人特有の高いものは良いものと思いがちな事を利用して、原価はかなり安いものも中にはあります。

ネットでは1週間で体重が落ちた、シミが3日でなくなったなどなど、女性心をくすぐるような言葉で誘ってきますが、もし、そんな効果があったとしたら、それは毒と思ってください。

体が急に変化するなんて、普通に考えたらおかしいですよね。

あと、なぜか用量より多く服用すると効果があると思われているのか、副作用がないと思われているのか分かりませんが、用法用量を守らず毒にしている方が多い傾向です。

実際に、サプリメントを飲んでいる人は、飲んでいない人より死亡率が高いそうです。

このような理由から、サプリメントを服用する際は注意してください。

とても良い商品もあるとは思いますが、見極めがとても難しいです。




予防策

日頃から気を付けているのは、体のメンテナンスと環境
私は、薬を必要だと思っていますが、なるべく最小限にするためには、日頃から体のメンテナンスと環境に気を付けています。

さきほどもお話をしましたが、口腔ケアは、とても重要と思っています。

口腔内を大切にしないと心臓病や肺疾患など、かかる可能性が高くなります。

そして足も、とても重要で、足は脚を支えていて、その脚は腰を支えていて、その腰は体を支えていて、その体は身体を支えています。

日本人は足のケアを重視していない傾向ですが、健康のためには、この足は重要ですよね。

この20センチちょっとの小さな面積で身体全部を支えているので大事なのは当たり前です。

あとは空気をきれいにすることです。

体に悪い影響のある煙草のけむり、柔軟剤、消臭剤などの化学物質の除去に気を使っています。

挨拶と感想

挨拶と感想
私は、病院に行くことは必要だと思っています。

そして、治療として薬を服用することも必要だと思います。

それは、行かないうちに症状が悪化して手遅れになることも考えられるからです。

抗生物質やステロイド剤のように守らなければいけない薬剤もあるので、飲む必要がある時は用法用量を守って服用します。

まずは体の管理をして健康を保つことからです。

これによって薬剤を最小限にすることが可能です。

そして、薬の体への影響の乱用、連用、依存、蓄積を考えるとなるべく飲みたくない。

私個人としては、体への影響を考えて自己判断で飲まないことも多々あります。

これは薬の知識があるので出来ることです。

今回の講演会では、このような内容のお話をさせて頂きました。

薬の知識があまりない方に理解してもらうように専門用語を使わずに伝えるのは、ぶっちゃけ簡単ではありません。

小学生が聞いても分かるように説明して欲しいと要望があったので、まずは小学4年生の息子に聞いてもらい、理解していたようなので完成することが出来ました。

何度もやり直して作成した資料のお陰で落ち着いて話すことが出来ました。

このような経験は、考えさせられることが多く、とても勉強になり、私自身の成長にも繋がりました!

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